あたしはお水を飲み終えると俊平へと視線を向けた。



それにすぐに気づいた俊平は電話を終わらせた。






「俺にも水くれ」




そう言われ、あたしは自分の飲んだあとのお水を持って俊平の隣へと行った。



あたしからお水を受け取り体に流し込んだ俊平はあたしの目を見ずにため息をついた。




「何かあった?」





あたしは俊平ならちゃんと説明してくれると思っていた。




「なんもねぇ。カズキがちょっと顔出せってうるせぇから出掛けてくる」




あたしは嘘だと思った。



確証はないけど、嘘だと思った。



それなのにそれ以上は突っ込めなかった。