「空なんていつも一緒じゃん」
「違う・・・一度見た景色はもう二度と見る事ができないから」
「そうなのか?
俺にはわかんねぇわ」
頭に手を当てちょっと笑ってる
「見てみる?」
「え、マジで?」
わたしは初めて人にカメラを見せた
「すっげぇ・・・空ってこんな綺麗なんだな」
デジカメに目を向けたまま次々と写真を見る滝川くん
「秦野才能あるんじゃない?」
この時初めて滝川くんの一番の笑顔を見た
「秦野ってさ笑わねぇから俺とはぜってぇに合わねぇって思ってたけど
結構話しやすいな」
「・・・」
「秦野ってさ毎日ここいるの?」
「晴れの日はだいたい
雨だったら保健室」
「そっか・・・
よっしゃこれからここに俺も来る!」
笑顔をわたしに向けてくる
喧嘩ばっかしてて恐いとばかり思ってたけどこんな笑顔も見せるんだ・・・
「滝川くんだっけ?」
「あ、俺の名前言ってなかったな
俺は“滝川龍哉”」
滝川龍哉その名前がわたしの頭に刻まれた
そうこれが滝川くんとの出会い

