「ちょっと待ってや」



後ろから走ってくる足音



洋太くんだ



わたしは足を止め振り返った



洋太くんも足を止め口を開く



「美雨最近昂のこと避けとる気するんやけど…なんかあったんか?」



「別になんともないよ?」



「昂、自分が悪いことしたからかって
自分追い込んどる
幼馴染の俺からしたらあんな昂見たないんや
お願いや、何があったんか教えてくれ」



顔の前に両手を重ね必死にお願いする洋太くん



「…嘉陽ちゃんに言われたの」



「……嘉陽…?」



「うん、昂くんは私が好きって言ってくれたけど
その事で嘉陽ちゃんが不安になってて
昂くんとは話さないでほしいって…」



「やっぱり……嘉陽まだ昂の事好きやったんか」



洋太くんからはいつもの明るい表情は消えた
両手をおろし少し間を空け口を開けた