『ただいま。』 重い足どりで家に帰ってきた。 「お帰りなさい。今日はそろばん先生の都合でお休みだって。」 『そうなんだ。出かけてくる。』 「えっ?もう行くの?!」 あたしはムスッとした声で“行ってきます”と言って家をでた。 ムスッとした声とは裏腹にあたしの表情は笑顔に近いと思う。 やっぱり向かうのはあの場所。 あの公園。 『いた。』 新橋くんが公園にいた。 あうのは3度目。 「昨日ぶり。」 あたしに気づいた新橋くんが笑顔で言ってくれた。 『昨日ぶり。』 あたしもそう返した。