少しばかり涙に潤んだ目で小田桐君を睨むと、
わずかに微笑みでお返しされる。
「なんか、反応が新鮮だな。かわいい」
マイリマシタ。
もう何も言えない。
ここではにかんだ笑顔を繰り出してくる、そのあざとさ。
無視できないくらいに膨れ上がって息苦しい……
「……全部、ね。ちょっと長くなるかもだけど」
私がこくん、と頷くと、
小田桐君は目をすっと細めた。
*
んー、じゃあまず。
オレの家は代々医者なんだ。開業医でね。っていっても4代くらい。
オレはたまたま長男で……そう、たまたま。けど、父さんはオレに病院を継がせる気でいた__いるし、オレも小さい頃から漠然とイメージしてた。オレ大きくなったら医者になるのかーってね。
ウチは外科と内科と精神科と…まあいっか。
なんとなく、医者=外科医ってカンジで、あの青い服着て「メス!」て言ってる自分。
うわー……。だよね、もう。嫌じゃないけど、なんかなー、みたいなさ。
しっくりこなかった。
だけだったけど、オレちょっとませててさ。小5で反抗期突入。
将来押し付けられんのが気に食わねー!って生意気にしてたよ。
訳もなくムシャクシャしてた時に、んー…そんとき仲よかった女の子がGIRLSを見せてきたんだ。んなの興味ねーって言って、
表紙見たと思った瞬間に雑誌奪ってた。
この子、誰だ!?って。



