「……えっ」
反射的に見た小田桐君は、申し訳なさそうに笑っている。
「すげー可愛いんだよ。もう雑誌見て一目惚れ」
……なんで。絶対、わかってるくせに。
私が仁科琳だって、知ってて訊いたんだよね。
「仁科琳、知らない?」
見上げてくる視線が、不安げで、悲しげで、堪らなくなってきた。
「し……ってる、よ」
「好き?」
「……きらい」
「オレは好き。今も」
その言葉に、気持ちがぐらつく。
察して、引いてくれたと思ったら、上手くかわして踏み込んできた。
「……ふーん。そうですか……」
メイクもしてないのに頬が紅潮している気がして、ミルクティーのカップに顔を隠した。
このお茶、いいにおい。



