SUCCESS?



* *

並木に茂る青い葉を、夕方の風が揺らしていく。
この並木道、私の通学路を、私と小田桐君は並んで歩いていた。

聞く限り、小田桐君はこの道を通ると遠回りになるらしい。

「この並木道いいね。新作のイメージにぴったり」

でも、そんな風に言って、「自分が遠回りしたくてしてる」みたいにみせている。

たぶん私に気をつかわせないため。

しかも、さっきまで歩いていた道路では、さりげなく車道側に回ってくれていた。

……もしたしたら、けっこう優しいのかも。
あんな強引なのに。

でも、嫌じゃない。
むしろ、ちょっと嬉しい。

そう考えてしまうのは、小田桐君が今まで会ったことのないタイプの男の子だからなのかな。

地味で、いじめの標的にすらなっている私に。
……そういえば、なんで昨日から前野たちは何もしてこないんだろ。

いきなり、モデルになって、とか抜かすし。
……あれ?モデルって、服着るだけでいいものなの?

小田桐君が私に関わってきてからの、不可解なできごと、疑問が頭をよぎる。

ちらりと隣を見ると、いつになく真剣な表情で小田桐君は歩いていた。

オレンジ色の夕陽に照らされる端整な横顔に、心臓がひとつ、大きく脈打った。


「……あの、話って」


小田桐君は学校を出てから、その話題に触れようとしなかった。

私が訊くと、
「あぁ、うん。ごめんね」
神妙な面持ちのまま、カバンから何かを抜き出す。


手渡される1枚の紙。