ひとりで納得していると。
「んじゃ琳ちゃん、これ着てちょーだい」
不意に小田桐君が私に向き直った。
姫野先輩、睨まないで。
ていうか、この大量の服は全部小田桐君が作ったんだろうか。
だとしたら、すごいな……
昨日と違って、普段着に着られそうなカジュアルな服も見える。
またちょっとだけ、昨日の高揚を思い出して胸の奥が疼いた。
* *
「これ、私が着る意味ある?」
白くて薄いブラウスと、黒いショートパンツに黒い透け素材のチュールがついた奇抜なデザインのボトムを身につけて、フィッティングルームを出る。
期待した通り、いやそれ以上にどの服も素敵でキレイで可愛くて、
着るだけでワクワクしてくるんだけども。
「あるあるー。服は着てもらって、初めて完成すんの」
待ち構えていた小田桐君が笑みを向けてきた。
近づいて寸法やら縫製やらを確かめる小田桐君。彼の手が触れそうになるたびに、無意識に息がひそまる。
「うん、オッケー。脱いでいいよ。それで……話があるんだけど、一緒に帰れる?」
小田桐君がちらりと見やった壁掛け時計は、部活の終了時間を指していた。
「?うん」
短く答え、フィッティングルームに戻った。
……どの服もすごくいいけど、
やっぱり、というか何というか、
あのシンデレラのワンピースほどに私の心を掴むものはないんじゃないかしら。



