すると彼女は急に駆け足で残りの階段を下り始めた。



俺は驚いて彼女を目で追う。



階段を下りきると、振り返って俺を見てきた。



「…三崎 小夏だ!バカ!」



彼女はそう言うとすぐに駆け出して行った。



え?今名前言ってくれたの?



俺の考えてることが分かってたみたいに。



でもツンツンしてる子だから、素直には教えてくれないんだろうなって思ってた。



まさか素直に教えてくれるとは…



これが世に言うツンデレってやつなのかな?



ツンツンしてても最後は照れながらも素直になる。




この時から俺はツンデレな小夏に惹かれていたのかもしれない。