日曜の午後、1人、ショッピングに出かけた街中で先輩を見つけた。
人込みの数メートル前の方、人より頭1つ分背の高い、パーマのかかったライトブラウンの髪型には見覚えがあった。
休日に先輩に偶然会うなんて!私のテンションは一気にハイになり、その後ろ姿を追った。
先輩は早足で、人込みを掻き分けながら前に進む。
背が高いから足も長い。
なかなか私と先輩の距離は縮まらない。
先輩は横断歩道を渡り切るとすぐ前にあるコーヒーチェーン店の前で立ち止まった。
振り返り、テラス席の前に設置された花壇の縁に座った。
あぁやっぱり先輩だった。
顔を確認してそう思う。
今日も首の下から足先までモノトーンで、ミケ猫みたい。
お店に入らないってことは誰かを待っているのだろうか?
そういえば、いつもより気合いの入った服を着ているような・・・けれども普段は知らない先輩のプライベートを垣間見たようでドキドキする。
いきなり声を掛けたら、びっくりするかな?
大きく目を見開いて、「ちよこ、何でここにいるの?」って訊ねるかもしれない。
私は想像しながらくすりと笑って横断歩道の信号が青になるのを待っていた。

