「明日がお通夜で、明後日が告別式だよね?私に出来ることがあったら何でも言ってね」
「ありがとう、千秋ちゃん。ごめんね、せっかくの連休にこんなことになっちゃって・・・」
「もともとこの連休は実家で過ごすつもりだったの」
「・・・兼がいないのが辛くて、千秋ちゃんのお母さんにもたくさん迷惑かけちゃった・・・」
そう言っておばさんは目に涙を溜めて、ぐすんと鼻を啜った。
おばさんは全然眠れていないのか、目の下にクマを作り、顔もやつれて
見えた。
私はおばさんをぎゅっと抱きしめてた。
「いつでも頼ってよ。柴田家とは私が生まれた時からの付き合いだよ。家族みたいなものなんだから」
「・・・ありがとう」
涙交じりの掠れたおばさんの声に胸が熱くなった。
おばさんの辛い思いもやるせない気持ちも痛い程感じたのに、私はまだ泣くことができなかった。
家に帰ると、2階の自分の部屋に直行した。
部屋着に着替え、顔を洗うと、久しぶりに会う家族に挨拶もせずに、ベッドに潜り込んだ。
電気も付けず、ベッドに仰向けになり、天井を見つめていた。
体は疲れてるし、眠い。
でも、眠りたくなかった。

