成人の記念に仲のいい友達が集まって誕生日パーティーを開いてくれた。
誕生日記念の特大ケーキをシバケンが発注してくれたのだけれど、そのシバケンがなかなかパーティー会場に現れない。
しびれを切らした友達の1人がシバケンの家を訊ねると、シバケンは酔いつぶれて寝ていた。
前の日に飲みすぎたらしい。
結局、ケーキを持って会場に現れたものの、2時間の遅刻と挙句の果てに、ケーキを取り出すなり、2日酔いで具合の悪かったシバケンはその場に嘔吐した。
あれは人生の仲で最悪の誕生日だった。
泣いて喚いて、シバケンを困らせた。
シバケンが原因ではあったのだけれど。
懐かしくて少し笑えてくる。
その誕生日をきっかけにシバケンは私の誕生日が来る度にサプライズを用意してくれていた。
明日が丁度、私の23回目の誕生日なのに、こんな悲しいサプライズが待ってるなんて夢にも思わなかった。
「え?マネージャーと付き合うことにしたの?」
「そうだけど?何か文句あんの?」
不機嫌そうにシバケンが私の顔を覗く。
高校3年の時だった。
当時、サッカー部の主将を務めてたシバケンが、マネージャーに告白されて付き合うことにしたのだと報告してきた。