握っていた缶が足元に落ち、丘の傾斜で転がって、彼の足元で止まった。


彼は缶を拾い上げる。

 
「甘くない。いいチョイスだ」

 
ふわふわパーマのライトブラウンの髪にモノトーンのコーディネート。


唇の間から八重歯が覗く、優しい笑顔。


私の大好きなミケ猫がそこに立っていた。








(第1夜・おしまい)