センチメンタル*宅配便



甘い金木犀の香りを吸い込んで、立ち上がると今日は先輩の方が先に着いていたみたいだ。


丘の上に仰向けになって、寝息を立てていた。


お昼ごはんをここで済ませたのか、コンビニのビニール袋が先輩の頭上に転がり、サンドウィッチのゴミとブラックコーヒーの空き缶が袋から覗いていた。

 
私は先輩の隣に座り、先輩の寝顔を確認した。


今日もよく眠ってる・・・日差しはぽかぽかしていて暖かいけれど、時折吹く風はだいぶ冷たくなってきた。


いつまでもここでお昼寝してたんじゃ、そのうち風邪を引きますよ。


私はカバンの中からストールを取り出し、先輩のお腹の辺りに掛けた。

 
文庫本をカバンの中から取り出し、時間を確認して、本日の読書タイムのスタート。


ぱらぱらとページを捲っていると、先輩が寝返りを打った。

 
小さく呻きながら、先輩はごろんと私の膝の上に頭を乗せてきた。


突然のことでびっくりして、私は固まってしまう。


先輩は相変わらず、寝息を立てている。


熟睡してるのかな?今、私ってば、先輩を膝枕している・・・意識するとドキドキしてきた。


先輩の顔を覗き込む。


近くで見る先輩はいつもよりもっと魅力的だった。


ふわふわの髪に触れてみた。