センチメンタル*宅配便



私だったらそんな恋愛絶対嫌だ。


私がみじめになるだけだもの。

 
それでも先輩はあの人を愛していると言う。

 
旦那さんがいるのに、私の先輩を弄ぶズルイ女(ひと)。

 
私だったら、絶対、先輩を傷つけない。

 
私だったら、絶対・・・・・先輩、私じゃダメですか?声にならない声をピーチティーと一緒に飲みこんだ。

 
愛しているからいいんだって言ってるのに、何でそんな辛そうな表情をしてるんですか?

 
先輩は猫みたいな人なんです。


きまぐれで、冷たくて、でも本当は優しいんです。


だから、そんな顔は先輩には似合わないのに・・・

 
そんな先輩の恋話を聞きながら、それでも先輩を思って切なくなる自分も情けない。

 
さわさわと金木犀の木が風に揺れる。


ふわりと香る甘い匂いが少しだけ私の心を慰めてくれた。




お昼ごはんの後で、秘密基地にやって来た。


今日も秋の高い青空が広がり、所々に綿菓子のような白い雲がぽっかりと浮かんでいる。


自分用のミルクティーと先輩用のブラックコーヒーを抱えて、垣根の奥に潜り込む。