センチメンタル*宅配便



「ダサいとこ見られちゃったな・・・」

 
まいったなと先輩は苦笑した。


私の差し出したハンカチを受け取る。

 
「休日に先輩に会ったのも何かの縁です。よかったらお茶しませんか?」

 
断られるかもと思っていたけれど、先輩はあっさり「いいよ」と賛同してくれた。

 
「でも、向いのカフェは無しな。冷静を装ってはいるけど、かなり恥ずかしかったんだ」と付け足した。

 
「はい、解りました」

 
と頷き、私たちは通りに沿って歩き出した。

 

「買い物?何買ったの?」

 
「秋から冬にかけて着れるワンピースを、あと厚手のストール」


へぇとあまり興味がない風に相槌を打つ。


他愛もない会話を交わしつつ、カフェを求めて通りを歩く。


先輩は歩くのが早くて人込みをするすると掻き分けてぐんぐん前に進む。


彼女だったら____先輩の腕に自分の腕を絡ませて、もうちょっとゆっくり歩いてよと嗜めることもできただろう。


でも、私はただの後輩なので、小走りで彼の後について行った。




「ここ、いいね」