「さてっと、クマタカとリーナ、ご苦労さん。これから先はオレとエリーシャ、冒険者組で行くよ」

赤毛のカイがクマタカたちに向かって言う。

「いや、俺たち、少なくとも俺は行くよ。冒険者じゃなきゃいけねえんなら冒険者になるぜ」

クマタカもカイたちの顔の正面を見すえ、はっきり言った。

「私も行きます。私はまだ子供ですけど、クマタカの面倒を見る者が必要だからです。(ちょっとリーナ!とクマタカが口を挟む)冒険者にもなります。子供でも大丈夫ですか?」
「リーナはいくつかな?」
カイが聞く。


「小さく見えますが、10歳です、多分」

リーナはちょっと不安そうに答えた。

「多分って?あっ、捨て子だったね、ごめん。冒険者の登録は10歳からで身分証がいるんだ。今ある?」

「俺もリーナもない」とクマタカが答える。

「じゃあ、2人の村の村長さんに身分証を書いてもらうんだね」

「あの村には二度と帰りたくない。そのほかに冒険者になる方法はあるか?」
クマタカが顔をしかめて言った。

「最上級冒険者にデュアルで勝つことだ」カイが答える。

しばらく無音が続く。

「俺を鍛えてくれないか。最上級冒険者に勝てるように、カイ!」

クマタカはカイに頭を下げる。


「私も鍛えて下さい!お願いします」

「わかった!オレにできることはみんな教える。だが、まだオレは上級冒険者なんだ。対最上級デュアルは対策は考えておく」

「ありがとう!・」

「ありがとうございます!」

カイはクマタカがお礼を言ったあとに小さくつぶやいた言葉を聞き逃さなかった。

もう山賊狩りなんかやりたくない。