2人のエリーシャ

「……その前にエリーシャさんも異端者ですね?さっきの話の通り若さんの声が聞こえますね!若さんにも話しますからエリーシャさん、荷から出して下さいな」

リーナがエリーシャにお願いした。

「異端者って?確かに私は若の声が聞こえるっていうか頭に響くけど……」

エリーシャが戸惑いながらも荷から若を出して囲炉裏のそばに置く。

「それも説明しますまず……」

リーナと時折、クマタカも話した話を要約すると、クマタカとリーナの古里、翼のある民のララリーの里に翼のない少女が発端だ。そして色んな騒動が起こり、翼のない少女は大人になったのちにクマタカを産んで姿を消す。なのでクマタカは村会議で決まった子供のいなかった夫婦に育てられて十歳になったある日、その家の裏手に捨て子のリーナを見つけた。

「その時、俺は赤ん坊の声を聞いたんだが、それは直接、頭に響く声、のちにわかったんだが、テレパシーだった。その時が初めてのテレパシー体験で自分でもびっくりして義父母に言ったら異端者って罵られて赤ん坊もろとも家は愚か、村からも追い出された」