さすが佐伯。 私が右京を好きじゃなかったら、多分恋に落ちるきっかけとしては十分の言葉だ。 「泣いたら胸を貸してね。無料で」 ふざけて言うと、佐伯は微笑んで。 「気分次第」 まんざらでもないような瞳を向けてくれた。 そして、その日の昼休みだった。 “それ”を目撃してしまったのは。