いつからだろう。

ハルの隣りにいても、苦しくなるような罪悪感を感じなくなったのは。

自然と、信頼する友達として一緒にいれる。

そうなれたのは、ハルが普通に接してくれるからだと、私は理解していた。


そんなありがたさを胸に、ふと、窓の外に目をやる。

外はすでに薄暗く、けれど振り続ける雪の白さで若干明るく見えるような気がした。


「よく降るね」


舞い降る雪を眺めながら零した私の声に、手を休めることなくハルが答える。


「明日の朝まで降るってさ」

「登校までにはやんで欲しいなぁ。また転びたくないし」

「転んだのかよ」


ケタケタと笑ったハルに私も笑みを浮かべた。


「二回もね。あ、でも、一回は蓮と手を繋いでたから助かったんだ」


転んだ時の事を思い出し口にすると──


「あー、はいはい。幸せそうで何よりだな」


ハルは、嫌気がさしてますとでも言うような口ぶりで言葉を吐いた。