月曜日の朝は、生徒の多くが少しだるそうな顔をしている気がする。

休み明けのせいだとは思うけど、今日は特にそんな風に見えるのは……


昨夜から降る雨のせいと、私の心が沈んでいるせいかもしれない。


ホント、バカだ私。

最後に一度だけなんて……

その行為は、さらに蓮への想いを募らせるだけだった。


「もう……バカすぎ」


教室の自分の席に座りながら溜息を吐いた瞬間。

──ガラリ。

教室のドアが勢い良く開かれて。

何事かと視線を向ければ、そこにはハルが立っていた。

彼は私の姿を視線に捉えると「なずなっ」と名前を呼ぶ。

その表情には、焦りが見えた。