『反対されてもあたしは育てるよ。蓮との子供だもん』


野宮さんの言葉が、脳内にこびりついて離れない。

一晩明けて、予定のない休日という現状がさらに私を追い詰めていた。


本当に、野宮さんのお腹の中に赤ちゃんがいたら……

私はもう、蓮とは一緒にいられない。

一緒にいちゃいけない。


やっと気持ちを伝えられたと思ったのに、こんな展開になるなんて。

もし本当に運命の神様がいるなら、なんて意地悪なんだろう。

それとも、私と蓮には最初から未来なんてなくて、私が未練がましく掴まっているから離れさせようとしているんだろうか。

だとしたら、これは相当効果的だ。

だって、赤ちゃんからパパを取り上げるなんて事出来ない。

蓮を一番必要としているのは、間違いなく赤ちゃんだろうから。

本当に命が芽生えているなら……


私はもう、蓮との未来を望んではいけない。