バカじゃないかと笑えばいい。 勘違いだと怒ってもかまわない。 その方が、幸せだ。 ハルはそう話すと、弱々しい笑みを残し食堂をあとにした。 賑やかだった食堂は、いつの間にか静かで。 気づけば一人きりの空間で、私は誰ともなしに声を零す。 「……意味は、あるの?」 一瞬、心の中に閉じ込めた想いの結晶が淡く輝いた気がして。 「……っ……」 首を横に振ると、席を立ち部屋へと足を向けたのだった。