夕食を終えて入浴を済ませて。

あとは寝るだけとなり、かりんと一緒に布団を敷く。

部屋着用のTシャツと短パン姿でふかふかの布団に倒れこむように寝転がると、かりんがクスクスと笑った。


「お疲れ様。初日から頼っちゃってごめんね」

「んーん。気にしないで。むしろ断ってたらかりんが過労死するとこだったろうし、助けられて良かったよ」


冗談めかして言うと、かりんはまた笑う。

と、その笑いが急に何かを思い出したようなものに変わって。


「ねえ、もしかしてハル君と喧嘩した?」

「……え?」


ドキンと心臓が一つ強く打って、私はバタバタさせていた足の動きを止めた。


「なんか、ハル君の機嫌が悪かったから何かあったのかと思ったんだけど……違った?」

「あー…うん。佐伯と話してたら、ちょっとね」


詳しく話せるわけもなく、かいつまんでそう伝えるとかりんは呆れたように肩をすくめた。


「ヤキモチ妬いてプンプンしてたってこと?」


ヤキモチ……なのかな?

だとしても、それだけじゃないと思う。

けど、野宮さんの事は話せないから笑って誤魔化した。