「桃原クン、せっかくお夕飯一緒にどうかと思ったのに」 「お母さん……聞こえてた?」 何も答えず笑うお母さん。 一拍空いて。 「いい子ね、桃原クン。お母さん彼も好きよ。とっても真っ直ぐだもの」 やっぱり聞こえてたんだ。 どこまで聞き取れてたのかはわからないけど、少なからず桃原の真っ直ぐな想いが伝わった程度には。 「安心させてあげられるといいわね」 「……うん」 謝ろう。 彼の真っ直ぐな思いに、少しでも答えられるように。