「あ、あの……」

「どうせ佐伯からのメールだろ?」


見抜かれてる。

顔や態度に出てたんだろうな……


言い訳や嘘は嫌だったから私は首を立てに振る。

正直に言えば揉めなくすむだろう。

そう思ったからだった。

なのに、桃原は私の予想を飛び越えた。


「ふざけんな」

「……え?」


桃原はさっきよりも怒りの色を濃くして私を見ている。

部屋の空気が一気に重苦しいものに覆われていく。


「お前の彼氏は俺だろっ! 何でそんな顔して佐伯からのメール読むんだよ」


まくし立てるように言い放った桃原。

私が何か言うよりも早く、桃原に腕をひかれて強引に抱き締められて。


「ももは──っん…!」


唇を、重ねられた。