「無理なら最初から断ってるよ」 無理だと思う相手と付き合えるほど自分の心に鈍くはない、はずだし。 「そっか。あー……良かった」 一気に力を抜いて背後にあったベッドを背もたれにした桃原。 そんな彼のリラックスした姿に私が微笑むと、桃原も微笑んでくれる。 この日、私たちは他愛もない会話を交わし続け…… 私は、胸にくすぶる痛みを隠すように笑みを浮かべて、桃原との時間を過ごしたのだった。