「そっか。それじゃ、途中までお願いできる?」


正直一人で帰るには心細さみたいなのがあった。

だから桃原の申し出が嬉しくて、私はそう進言したんだけど……


「家まで送るって。途中で倒れたらどうすんだよ」


優しいなぁ、桃原は。


「あ、そうだ。ねぇ、私をここに運んでくれた人がいると思うんだけど知ってる?」

「いや? 俺は何も知らねぇけど……って、お前もしかして倒れたの?」

「多分、そうだと思う」


頷くと、桃原は呆れたように眉を寄せた。


「マジ家まで送る。チャリも借りたから」

「さすが桃原。準備いいね」

「だろー?」


得意そうに笑みを浮かべた桃原。

彼に支えられて、私は保健室をあとにした──‥