チャイムの後、終礼が終わると途端に教室はクラスメイトの声で溢れる。

その中に、私を呼ぶ声があった。


「片桐―」


桃原だ。


「お前、あれからどう?」

「携帯代えたおかげで何もなくなったよ」

「そっか。じゃあお前のダチって線はなくなったなー」


桃原が「良かったじゃん」と私に笑いかけると、私も頷くことで応える。


携帯を代えてからイタ電は綺麗になくなった。

これでまだ続くならと怖い想像をしていたけど、そんな事もない。

もしかしたら、ここでまた同じ事が起これば相手が限定されてしまうのを恐れて何もないのかもしれないけど……


友達まで疑いたくない私は、考えない事にした。


自分の友達だけは絶対に信じる。