蓮が友達を優先するのはいいんだ。

だけどそうじゃなくて、それが女の子の可能性はゼロじゃない気がして。

いや、さすがに二人で会うとかはしないはずだけど、友達数名だったらその中に女の子だっているかもしれないわけじゃない?

って、ただの友達にまでヤキモチとかダメじゃん私。

子供過ぎる自分に落ち込みかけていたら、桃原が「あれって……」と呟く。

まさかっ、蓮が女の子といるのを発見!?


「青木だ」


ああ……なんだ、良かった……

……って、ん?

青木って言った?


私は急いで桃原の視線を辿ってその人物を確認する。

そこには、優しそうな……穏やかな雰囲気をまとった……そう、例えるなら王子様みたいな男の人がいた。

彼の姿を見た瞬間、いつかかりんに見せてもらったプリクラを思い出す。

かりんと青木君が付き合い始めた頃に撮ったプリクラを。


間違いない。

確信した直後。


「あーおきー!」


桃原が青木君に声をかけた。