ふと目を覚ますとショータくんはいなかった。

夢か――。
夢だって分かってたけどさ!

高校生にギュ――ってされる夢だなんて・・・。

どんだけ欲求不満なんだよっ!?



布団の中からは静かな呼吸音。

掛け布団を少し持ち上げると、ふんわりとした毛玉。
グレーに黒の縞模様。

楽しい夢でも見ているのか、笑ったような寝顔。


ヤバい。
可愛過ぎる。
手放したくない!


一晩だけのつもりだったのに、既に手放せない気分の自分に気付く。



猫ちゃんと暮らす――。

そんな選択肢なんて自分には無かったはずなのに。

たった数時間でこんなにも心揺さぶられている自分がいた。

目に見える幸せ。
猫ちゃんとの暮らしも悪くないかも。