ただ呆然と立ち尽くして二人を見ていたら、後ろから声をかけられた。
「おい。なに突っ立ってるんだよ。つか、杏里どうした」
その声で、ハッと我に戻った。
「あ、結羅…」
慌ててカバンを拾い、精一杯の笑顔で振り向いた。
「杏里はもう帰りましたー。彼氏とデートだって〜」
彼氏とデートなんて嘘だけど。
「は!?杏里彼氏いたのかよ!?」
「うっそぴょん」
簡単に騙される結羅。
結羅をからかうのがあたしの楽しみ。
「はぁー。また騙された…」
「ただの馬鹿じゃん」
笑いながら結羅と話す。
だけど、頭の中にあるのはあの二人の姿。

