「……ふーん」 吉田くんは、意味深にたった一言だけ喋った。 「あ、は。覚えてないよね、もう」 一年も前のことだし、覚えてる方がおかしいくらいだ。 覚えてるあたしって…異常? 「………いや、覚えてるよ」 「えっ……う、嘘だ」 無理やり、話を合わせようとしてくれるに違いない。 「嘘じゃない。……なんだっけ。確かその日、ヒマワリのヘアピンつけてなかったっけ」 ………う、そ。 なんで、覚え、てるの…? 確かにあたしは、入学式の日、寝癖を隠すためにヒマワリのヘアピンをつけていた。