「まぁな」
「でもその割に続いてるじゃん。まさか、本気になったとか?」
麗斗の友達はちゃかすように言った。
「バーカ。そんな訳あるかって!」
そして、麗斗は半分笑いながらそう言い切った。
『そんな訳あるか』ってことは、私のこと本気じゃないってこと……?
全部、嘘だったの…?
頭の中が真っ白になった。
毎日一緒に登校した時間も、一緒にお昼ご飯を食べた時間も、麗斗にとっては賭けに負けたから仕方なくやってたってこと?
抱きしめてくれた腕の温もりも、あのキスも全て嘘だったの…?
嫌だ…。嫌だ……。
そんなのってないよ…。
違う。違うよ。麗斗はそんなことする人じゃない。
いつも私が見ていた麗斗は、賭けなんかで人を騙すような人じゃない。
麗斗はいつも優しくて、私のことをちゃんと考えてくれてた。
賭けに負けたからって、毎日そんなこと普通はできない。
でも、じゃあ今の話は……。

