廊下に面している窓から、教室の中を覗くと麗斗の姿が見えた。
麗斗は掃除用具が入ってるロッカーに寄りかかるようにして、友達と何か話しているようだった。
私から3メートルも離れていない距離に麗斗がいた。
友達と話してて、私のこと忘れちゃったのかな?
よし!私から声かけてみよう。
麗斗驚くかな。
半分緊張しながら、半分楽しみながら私は窓の隙間から麗斗のことを呼ぼうとした。
「しかしさ、お前汚いよなー」
「何が?」
「あの子のことだって!ほら、1年の子!」
しかし、麗斗の名前を呼ぼうとした時、少し空いた窓から麗斗たちの会話が聞こえてきた。
1年の子って私のこと…?
何だろう?まだ話の内容が分かったわけでもないのに、私の心はざわついていた。
「あー、美桜?」
「美桜ちゃんって言うの?あの子。よく平気な顔で付き合えるね、お前」
「はぁ?」
「とぼけんなよ!あの子に告ったのって、お前が賭けに負けたからじゃん」
えっ…?
何?賭けって…。

