パタ。手からスマホが抜け落ちた。
一瞬の再会だと思っていた。一夜の夢で済ませられるはずだった。
昨日で彼とは完全に関係なくなるはずだったのに……。
再び、彼と繋がるツールが出来てしまった。
どうしよう…。怖い。
彼から電話が来るかもしれないって考えたら、どうしようもなく怖くなった。
やだ…。やだよ。もう関わりたくない。
まだお昼だ。時間はたっぷりある。
これだけ時間があれば十分逃げられる。
スマホを置いてどこかに行こう。スマホさえ持っていなければ彼と繋がるものは何もない。
私はふらふらとベッドから立ち上がって、支度を始めた。

