「新しいことに挑戦したかった。
折角、こっちに帰ってきたのだから、全く新しいことを始めて自分自身がどこまでやれるのか試したかったんです」
まだ言葉に続きがあるのだが、顔の前で組んでいた僕の両手を彼女の両手が包み込み、二度三度と力を入れた。
彼女なりの励ましなのか、それとも言葉に感銘を受けたのか包み込んでからもその手を離しはしなかった。
「なんて・・・ね。
そんなのは綺麗ごと。
本当は前と同じ職種に就くと、自分は仕事ができないとはっきり分かることが怖いんです。
ここでも駄目だったら、今度こそ立ち直れないくらいに落ちこぼれそうな気がして。
初めてのことだったら、できなくても当たり前かなって思って」
彼女の手をゆっくりと解いて視線を逸らし、ゆっくりと烏龍茶を口の中へと入れる。
自分の胸に抱えていたものを吐き出すと喉が必要以上に乾いてしまい、グラスに半分くらい残っていた烏龍茶を一気に飲み干してしまった。
「ダサいですよね、俺。
自分で逃げ道作っちゃって」
折角、彼女が祝ってくれているというのに僕は泣きごとのようなことばかり言ってしまい、情けない気持ちと申し訳ない気持ちで胸が張り裂けそうになった。
こんなことで明日からの仕事は大丈夫なのだろうかと、心配になってきてしまう。
折角、こっちに帰ってきたのだから、全く新しいことを始めて自分自身がどこまでやれるのか試したかったんです」
まだ言葉に続きがあるのだが、顔の前で組んでいた僕の両手を彼女の両手が包み込み、二度三度と力を入れた。
彼女なりの励ましなのか、それとも言葉に感銘を受けたのか包み込んでからもその手を離しはしなかった。
「なんて・・・ね。
そんなのは綺麗ごと。
本当は前と同じ職種に就くと、自分は仕事ができないとはっきり分かることが怖いんです。
ここでも駄目だったら、今度こそ立ち直れないくらいに落ちこぼれそうな気がして。
初めてのことだったら、できなくても当たり前かなって思って」
彼女の手をゆっくりと解いて視線を逸らし、ゆっくりと烏龍茶を口の中へと入れる。
自分の胸に抱えていたものを吐き出すと喉が必要以上に乾いてしまい、グラスに半分くらい残っていた烏龍茶を一気に飲み干してしまった。
「ダサいですよね、俺。
自分で逃げ道作っちゃって」
折角、彼女が祝ってくれているというのに僕は泣きごとのようなことばかり言ってしまい、情けない気持ちと申し訳ない気持ちで胸が張り裂けそうになった。
こんなことで明日からの仕事は大丈夫なのだろうかと、心配になってきてしまう。



