舞台では最後の大詰めの場面になり、つぐみさんが単独で立ち、涙ながらに想いを打ち明けている。
もちろん、これは演技であり、本当の彼女のことではない。
しかし、僕は本当の彼女の気持ちを知りたいのだ。
「俺は作家の道を目指す」
主演男優が舞台袖から登場するや、彼女に向かって大声で台詞を言う。
その台詞に彼女は僅かながらの困惑を見せたが、すぐに何事もないように役に戻った。
困惑を見せたのは彼女だけでなく、僕と団長以外の全員が困惑していた。
舞台袖の全員が団長に視線を向け、団長が頷いたのを確認すると全員が同じように頷いて舞台へと視線を戻す。
彼女や他のみんなが困惑をするのも無理はなかった。
先ほど、僕は台詞を差し替えてもらうようにお願いしたのだ。
それも、主演女優である彼女には一言も伝えないようにと。
だから、この場面でこの台詞が出てくるとは思っていなかっただろう。
しかし、この台詞が誰の言葉かどうか、分かってくれるはずだ。
「このあきらめられない夢にもがき続ける。
そのことを示してくれたのは、紛れもなくあなただ。
だから、俺と一緒にこの道を歩いてほしい。
あなたじゃなきゃ駄目なんだ」
本当の・・・
「本当の気持ちを聞かせてくれ」
僕は卑怯だ。
自分の気持ちを伝えるために、この舞台を使っている。
いや、自分の気持ちを伝えるためじゃない、彼女の気持ちを聞くためにだ。
もちろん、これは演技であり、本当の彼女のことではない。
しかし、僕は本当の彼女の気持ちを知りたいのだ。
「俺は作家の道を目指す」
主演男優が舞台袖から登場するや、彼女に向かって大声で台詞を言う。
その台詞に彼女は僅かながらの困惑を見せたが、すぐに何事もないように役に戻った。
困惑を見せたのは彼女だけでなく、僕と団長以外の全員が困惑していた。
舞台袖の全員が団長に視線を向け、団長が頷いたのを確認すると全員が同じように頷いて舞台へと視線を戻す。
彼女や他のみんなが困惑をするのも無理はなかった。
先ほど、僕は台詞を差し替えてもらうようにお願いしたのだ。
それも、主演女優である彼女には一言も伝えないようにと。
だから、この場面でこの台詞が出てくるとは思っていなかっただろう。
しかし、この台詞が誰の言葉かどうか、分かってくれるはずだ。
「このあきらめられない夢にもがき続ける。
そのことを示してくれたのは、紛れもなくあなただ。
だから、俺と一緒にこの道を歩いてほしい。
あなたじゃなきゃ駄目なんだ」
本当の・・・
「本当の気持ちを聞かせてくれ」
僕は卑怯だ。
自分の気持ちを伝えるために、この舞台を使っている。
いや、自分の気持ちを伝えるためじゃない、彼女の気持ちを聞くためにだ。



