七年半振りに僕は地元に帰ってきた。




高校卒業と同時に上京し、大学を無難に卒業。

卒業後は自分が思い描いていたこととは全く違った業種を選び、企業と呼ぶには似つかわしくない可もなく不可もなくといった会社に就職し、三年半もの時間を頑張ってきたつもりだった。

頑張ってきたつもりであっても、会社は紙切れを破るように僕を解雇した。

プロポーズが間近だった彼女とも会社の解雇を機に別れ、僕には東京でやり直すだけのものは何も残っていなかった。




大学に入学してからも、会社に入社してからも、ただの一度たりとも僕は地元に足を踏み入れることはなかった。

二度と戻るつもりはなかった地元の地に、僕は何もかも失って帰ってきた。