「まぁ、俺だけだったら楽勝なんだけどね……?」 バカにするように笑ってくる。 確かに、翔太は毎年体育祭でリレーのアンカーを任せられるほどの足の速さ。 毎年、「興味ない」って断ってるけど……。 それに比べたら私は お世辞でも運動は得意と言えない……。 「………」 軽く拗ねると、翔太が 「ははっ」って笑った。 「拗ねんなよ。ほら、」 そう言って、手を掴まれた。