目を閉じてる、って言っても緊張した。 フォークをもつ手が震える。 ーーこの時にも、さっきの変なドキドキはなおってなくて…… いや、むしろ悪化していた。 このドキドキが、翔太に聞こえちゃうんじゃないかと錯覚するほど……。 ケーキが落ちないように、震える手で慎重に運んだ。 翔太の口のすぐ近くまでいったところで 「っ!?」 いきなり翔太が目をあけて、私の手を引いた。 そしてケーキはそのまま翔太の口に……。