「姫野さん、昼休みに準備室に来て下さい」 先生はいつもの無表情でそう私に伝えると、教室を出て行った。 「やだ! さくったらまたこき使われてるぅ!」 舞ちゃんがふざけて声をかけてくるけど。 私はそれに応えられない。 口に出せない気持ち。 何故だろう。 ……恐くて仕方ない。 “行きたくない” その気持ちと、先生のそばに行ける、“嬉しい気持ち”。 自分の二つの相反する気持ちに気付き、小さく溜息が出る。 .