「あ、気付いた…」 兄様の説明が頭に入らない。 そんな中、集団の中心にいる人と、目と目があってしまった。 「行こう。紹介するよ」 兄様に手を引かれて近付くと、さらに心臓が激しく震える。 「木崎君――!」 華やかな姿の女性陣の中に、たった一人の男性…… 「ご無沙汰しています」 頭を下げる兄様に、にこやかに話しかける、男性。 私には分かる。 この人は…… 「元気にしてたかい? 良く出席してくれたね。 中々会う機会がなかったから会えて嬉しいよ」 この人は、お祖父様と同じ瞳をしてる……。 .