「準備できたか?」


「はい! すぐ出ます」



ドア越しに呼ばれて、慌てて返事をした。




「忘れ物は……ない、と」


部屋を見渡し、最後に姿見で自分の姿をチェックする。



「…うん、大丈夫」



呟いて、小さなバッグを持ち部屋を出た。







今日は、仕事で海外にいるパパ達の代わりに、私と忍兄様がパーティーに出席する事になった。


本当は守兄様が行くはずだったけど、急遽私が出席することになり、慌ただしく支度を済ませた。