イケメンルーキーに恋をした



「覆いかぶさるように!?」


急に上がった先輩の大声に、あたしはシーッと鼻に人差し指を当てる。


「先輩! 静かにして下さいよ。どうしたんですか急に」


あたしは眉を寄せて小声で言う。


「あ……いや。ごめん」


先輩はあたしからサッと目を逸らすと、気まずそうに体育館に目を向けて咳払いをする。


「先輩の顔を見てないんじゃ、どれかわからないな」


「……そうですよね。でも、マネージャーっぽい人を探せば……」


そう言った瞬間、体育館からキーパーを持った男子が出てきて、あたし達はサッとその場にしゃがみ込んだ。


そして、先輩と目を見合わせる。


“アイツかな?”


先輩の口パクに、あたしは細かく頷きながら首だけをグイッと伸ばす。


紺色のジャージに上は黒いTシャツを着ていて、体育館の横で雑務をしている。


何部のマネージャーか確かめたくて、目を細めて集中力を増す。