光俊とは、交際期間4ヶ月で結婚式を挙げた。
ーーこの人なら、きっと幸せにしてくれる…
プロポーズされた時、真彩は頭の中に浮かんだそんな閃きを信じて、光俊を選んだ。
電撃結婚だったから、準備が大変だった。
お互いの親の顔合わせ、式場、ドレス、招待客、新婚旅行。
何もかも、熟考することなく、勢いと間に合わせみたいにしてやった。
それでも、楽しくて仕方ない日々だった。
『花嫁の真彩が主役だから』
そう言って光俊は、何もかも真彩の意見を最優先してくれたから。
「やっぱり、そんな軽はずみじゃ、ダメだったのかもしれない…失敗かなあ…」
ファーストフード店で、ホットココアを飲みながら、真彩は自嘲気味に笑った。
赤ちゃんホルダーで前抱っこした理亜は、真彩の胸でスヤスヤ眠っていた。
さっき、このショッピングセンターにあるちびっ子広場で遊ばせた。
理亜はお座りをして、少し歳上の子供達が遊ぶのを興味深げに眺めていた。
すると、おませな感じの5歳くらいの女の子が、理亜のことを「可愛い赤ちゃん!」と言ってそばに寄ってきた。