「ねぇ。辛いなら泣きなよ」


ある時、ガッコウの机の中で聞いた、カノジョのトモダチの声。


「えー?泣かないよぉ。だってアイツ、多分彼女がいそうだなーって思ってたもん」


カノジョの明るいコエが、トモダチに応えている。


「だって。コクるって言ってたじゃん」

「もー。失恋決定なんだから、ちょっとはそっとしといてよね!」



カノジョのコエは、いつもと同じで明るいタイヨウみたいだ。



しばらくするとトモダチのコエは聞こえなくなり、そこにはワタシとカノジョだけが残された。



カノジョはケータイからワタシを消し、違う画面を呼び出した。


だけどカノジョのコエだけは、ケータイの中のワタシにも届いてる。




「…ずっと、好き…でした。って、メールで送ってなくて正解だよね。彼女がいるのに、こんなメール、迷惑でしかないっつーの」



ピッと、ケータイの中から、何かが一つ消えるオトがした。





そのオトが聞こえた時、ワタシのカラダを言いようも無いイタミが走ったのは何故だろう?





カノジョが泣いている。





また、カラダの真ん中が、イタイ。





カノジョはケータイの中からオトとヒカリに溢れたモノを呼び出した。



カノジョの目から、一筋の水滴が落ちる。



あれは、ナミダ。




それなら、ワタシの目から落ちるこの水滴は、何?



カノジョを見るのが、イタイ。



きっと、これがナクと言うこと。



ナカナイデ。



それをアナタに伝えたい。