カノジョは毎日ワタシをケータイに入れて、ガッコウって場所に行く。



ガッコウでのカノジョは、トモダチと色んな話しをして笑ったり、センセーってヒトに怒られて文句を言ったりしてる。


カノジョがトモダチと笑う。


いつかカノジョが見せてくれた、タイヨウみたいだと思う。


青いソラに真っ白く光る、タイヨウ。


ワタシはそれを見たことは無いけれど、きっとこんな風にキラキラと光ってるんじゃないかと思う。





カノジョがある夜、ワタシに話しかけてきた。



「ララは、コイって知ってる?」


コイ。


知らない。



それは、何?


コイは知らないから首を横に振った。



「知らないかぁ。…ね、ララはネットのサイト巡りとかは出来ないの?待ち受けに止まってるだけ?」


カノジョの問いに、ワタシはこくりと頷いた。



「あー。そういえばまだ、ララには音を設定していなかったもんね。声が出せないから、これじゃ話しも出来ないね」


申し訳なさそうにアナタがワタシにゴメンと謝った。




そう。


カノジョはワタシに色々なモノを与え、教えてはくれるけれど、まだオトとコエは与えてくれていない。



「ララにぴったりの音が見つからないんだよね。綺麗な声か可愛い声、どれにしようか迷ってるの。せっかく声を出せるなら、皆に好かれるような声にしたいね」


カノジョはパソコンの音源から様々な音を探す。


でも、どれもワタシのモノにはならないみたいだ。