ぱっと手を離された時、 渉の表情は少し悲し気だった。 そうか。 俺はずっと渉をガッカリさせながら生きて来たんだな。 何も知らず、無責任なことをいい 大切なやつですら守れない。 「何してんだ、俺……」 ずっと一緒にいた幼馴染の気持ちにすら 気付かない奴が 同時に2人を守るなんて出来るわけねぇだろ。 人はどうして、誰かを守る時 誰かを犠牲にしなくては守れないんだろう。 そのくせどうして、大切な存在は 増えていくんだろう。 その問いかけは、誰にも届くことなく 簡単に消えた。