「ヤダ」

「は?」

「誠居ないの、ヤッ!」


もう、ぐちゃぐちゃ


このまま一緒に居たら
取り返しのつかないことを
言ってしまいそうで



そう一方的に叫んで戸惑う彼を追い越す

精一杯ペダルを踏み込んで


涙が彼にバレないように




「おはよ大谷!…ってあんた
ヒドイ顔してるわねー」


「うぅ高沢!」











「へー、あんたも素直になったもんだ」

「へ?」

事の一部始終を高沢に話した後の

彼女の第一声に
思わず間抜けな声が出てしまう